日本人の間でたびたび話題になり、時に友人関係すら破壊するといわれる、きのこ・たけのこ戦争。ビッグデータを活用し、きのこの山とたけのこの里、本当はどちらが人気なのかをビッグデータを用いて調査しました。
永遠の対立、きのこたけのこ戦争
現在(2018/7/27)、明治が公式できのこの山・たけのこの里総選挙が行われています。
きのこの山が1975年、たけのこの里が1979年から発売されているようなので、この対立には非常に長い歴史があるようです。
きのこの山とたけのこの里の歴史(明治の公式ページ)
また、きのこ派かたけのこ派かという話はみなさん一度はしたことがあるのではないでしょうか。結構盛り上がるこの話題ですが、実際のところ、どちらのほうが優勢なのでしょうか?
対面で話しているときは、周りに合わせる背信者もいるでしょう。また「どっちもだよ!」とかいう二枚舌なブリティッシュな人もいるでしょう。
どうすればこの問題に決着をつけられるのか。ネット上でアンケートをとるにしても、こんな駆け出しブログから発信しても回答数が少なすぎて参考にならない。
というかそれはもう公式がやっている。
ふと気づきました。Googleの検索数に膨大かつ正直なデータがあるんじゃないか・・・?
ビッグデータで解析してみた
解析方法
解析には、Google Trendsを利用しました。
Google Trendsとは、自分の入力したキーワードがGoogle上でどのくらい検索されているかを調べることができる無料のサービスです。
何回検索されたかという具体的な数字はみることができませんが、キーワードを2つ並べて検索することで、同じ時期にどちらのキーワードがより検索されているかを調べることができます。
例えば和食と洋食の比較だと、こうなります。
また地域別の情報もみることができ、例えば日本では、何県でそのキーワードが検索されているのかを調べることができます。
解析の条件
キーワードは「きのこの山」と「たけのこの里」にしました。
これは厳密に言うと、「きのこの山」と「たけのこの里」というキーワードがどれだけGoogleの検索ボックスに入力されたかを表すだけで、「きのこの山」と入力した人が、「きのこの山が好き」と思っているのか、「きのこの山派は滅ぶべし」と思っているのかまでは分かりません。
しかし、「きのこの山」と検索ボックスに入力している時点で「きのこの山」に興味があるのは確かなので、これを人気度とすることにしています。
解析期間は「2014年1月から現在まで」の最大に設定。
期間を長くすることでデータ量が増えてより正確なデータが得られますし、キーワードによってはグラフの動きに特徴があり、そこからキーワードについてさらに深く考えることができます。
地域はもちろん日本に限定。海外も範囲に含めることはできますが、海外ではそもそも日本語で検索されないので除外しました。
解析の結果は・・・!
結果はこちら!
五分五分です!!
個人的には、だいたい予想通りの結果です(笑)
なぜなら、自分の友人はたけのこ派が多いですが、彼らが言うように本当にたけのこ派が多数派で全国的に優位なら、そもそもきのこたけのこ戦争が起こらないからです。
きのこ派か、たけのこ派かの話題が尽きないのは、この質問をしたときに相手の答えが毎回違うからであり、それをみんな経験で分かっているから、このきのこたけのこ戦争が終結しないのではないかと思っていました。
・・・筆者はどっち派なのか、ですか?メディアは中立であるべきなので、ここでは書きません。あくまでも中立性に重きを置いているだけで、決して両派閥に媚を売ろうという二枚舌外交的思考だったり命が惜しかったりするわけではありません・・・
2009年にたけのこの里が急上昇しているのは?
おそらくこれが原因です。
たけのこの里とは (タケノコノサトとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
簡単にまとめると、インターネット上に投稿された1枚の「たけのこの里」のイラストがきっかけで、絵によるきのこ、たけのこ戦争が始まったとのことです。
なぜ戦争が始まったのかは大百科には書かれていませんが、きっかけのイラストはたけのこの里「だけ」が描かれており、作者が意図したかは分かりませんが、この暗黙の表明が微妙な均衡状態を崩してしまったと考えられます。
地域別の結果は?
こちらもなかなか面白い結果が出ましたね。(笑)
ここは予想が外れました。全国的に拮抗していると思っていましたが、どうやら完全に制圧されている地域もあるようです。確かに、完全に制圧されている地域には筆者は行ったことがありません。
鹿児島県、秋田・宮崎県にお住みの方は、納得の結果でしょうか?周りにはきのこ派、たけのこ派しかいませんか?話している時に自分と違う派閥が多いと、異端者扱いされるのが嫌だからその場では話を合わせるということもあると思いますが、検索をするときは基本的に一人なので、その心配はありません。それなのにこの結果ということは、鹿児島県は純粋にきのこ派が多いと考えられます。
これから他県に引っ越す方は、事前にこの勢力図を確認しておきましょう。秋田県に引っ越しお隣さんにあいさつに行く時には、つまらない石けんではなく、たけのこの里を贈りましょう。
気になる関連キーワード
Google Trendsでは、地域別情報の他にも関連するキーワードを表示することができます。きのこの山については、特に気になるキーワードはありませんでしたが、たけのこの里は面白い結果に。
4位に「カロリー」とありますが、きのこの里では「カロリー」が出てくるのは14位で、結構な差があります。たけのこ派はカロリーを気にする人が多いようです。
実際、きのこの山は1箱417kcal、たけのこの里は391kcalとたけのこの里の方が低カロリーです。
また、たけのこ派は「レシピ」が関連キーワードとして上がっており、自作するDIY派が多いようです。きのこの山は「レシピ」はランク外で、これはたけのこ派の独自の文化の模様。
ロボット・・・?
そしてひときわ目を引いたのが、「ロボット」。これは見ただけでは意味が分かりません。そこでGoogleで検索してみました。
検索結果の一番上に出てきたのは・・・
明治の公式ページで、お菓子の箱を使ったさまざまなペーパークラフトの紹介をしているようです。一見、子供向けのように見えますが・・・
とても難しそう。筆者もガンプラ(MG)くらいなら作ったことはありますが、こちらはヨーグレットのティラノサウルスの時点で無理そうです。ちなみにヨーグレットは大好きです。
当然、これらのペーパークラフトの作り方をpdfで紹介していますが、これも非常に丁寧。このまま販売できるレベルの完成度です。でもこのページのfacebookのいいねは執筆時点で4。そこらのツイートの方がいいねされてます。
こんなに良いコンテンツが眠っていてもったいないな〜と思いつつ読み進めていると、「お菓子パッケージ変身ムービー」というこれまた意味の分からない強烈なキーワードが。
お菓子パッケージ変身ムービー・・・・・・?
これまでのクオリティから考えて嫌な予感しかしません。
しかし百聞は一見に如かず。・・・ここではあくまでメディアの中立性の立場から、きのこ、たけのこではなく、マカダミア・パンダの変形動画を紹介します。
・・・・・なんだこのクオリティは。
正直、コマ送りの製作ムービー程度だろうなと考えていました。流行りの料理動画みたいな感じで。
それがどうでしょう。ARの3Dムービーですよ。あとで気づきましたが、ARではなく全部CGですね・・・ですよね?
ロボットの変形シーンの製作は、
トランスフォーマー
【インタビュー動画付き】映画『トランスフォーマー』を陰で支えた天才は日本人だった! - 日経トレンディネット
でも話題になったように、かなり大変と思われます。そんな変形ムービーをお菓子のペーパークラフト(ページのいいね数4)でやるなんて、もはやビジネスではなく芸術の域です。この企画を担当した方はオタクでしょう(僕はそういう意味での日本のオタク文化・気質は大好きです)。
このマカダミア・パンダ動画も再生数が3.5万で、入浴剤を100袋入れた風呂に入るだけの動画がこの動画の約300倍再生されていることを考えると、なんて不憫なんだと思います・・・だからこそ、この無駄にハイクオリティなのが際立つのですが。
最近はYoutubeでもCMが増えてきましたが、なぜ明治はこの動画をCMにしないのか疑問です。こういうCMなら歓迎なのに。
YoutubeのCMといえば、この松崎しげるさんのウタマロ石けんの動画も好きです(こっちは面白い石けん)。声量ハンパないですね・・・
謎の熱唱男再び!松崎しげる『黒い男2』ウタマロ石けんPR映像 - YouTube
話がだいぶそれてしまいました。(笑)
まとめ
結局、Google Trendsによると、 きのこの山とたけのこの里の人気度は拮抗している。しかし地域差はあり、どちらかの派閥が完全に制圧している県もある。またたけのこ派は、カロリーを気にしたりDIY精神があるなど特徴がある。そんな戦争状況下で、当の明治は無駄にハイクオリティなコンテンツを影で提供している。これまでの推移を考えると、これから先もきのこたけのこ戦争は終戦を迎えない、とまとめられるかと思います。
この情報を、実生活に役立てるとすれば・・・
地域にもよりますが、話題に困ったとき、場を盛り上げたいときの話題におすすめです。気になるあの人に話しかけるキッカケとして、いかがでしょうか。