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音楽は、感情の表現者であり、よき共感者である

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瀬戸内国際芸術祭 作品No.041「20世紀の回想」

結論から述べれば、音楽とは感情を表現するものだと思う。

失恋したときには失恋ソングを聴くとなんだか心が癒される感じがする。

これは、曲が失恋した人の感情に共感してくれているのだ。

 

 

人が失恋した時というのは、友人に相談しても、「そうだね、私もその失恋の気持ち感じるよ、私も悲しい」と言われることはまずないし、もしいたらその人はたぶん適当に喋っている。大抵は「次があるよ」とか「他にいい人がいるよ」という慰めを受け取ることになる。

この言葉からも友人の優しさ、気遣いはもちろん感じられるが、共感ではない。

 

だが、人は強い感情を感じた時には、共感してもらいたいものだ。それはおそらく子供の頃から続き、大人になるにつれて、社会に出るにつれて隠さなくてはならなくなる本能的なものであろう。

 

そんなわけで失恋ソングは失恋した人の、唯一の共感者となるわけだ。もちろん、共感を示してくれる人もいるかもしれないが、そもそも失恋の悲しみとは非常に個人的な問題なので、共感出来るのはむしろおかしいのだ。それを示してくる人というのは、何か下心があるかもしれない。もちろんそれが全て悪意だとは言わないが、その人と付き合ったりだとかの何かしらの決断をするなら、いったん冷静になってからの方がいいかもしれない。まあ冷静になる前に感情で好きになって(させられて)しまえば、それも出来ないわけだが(笑)

 

話を戻すと、音楽は感情を表現することができる、と私は言いたい。音楽がこの点で文字や絵より勝っている点は、テンポと音程があるところである。

耳から入ってくる音というのは非常に本能的な情報である。人は大抵の場合 、興奮すると話すスピードは早くなり、声も高くなる。

音楽を聴いている人は、無意識にそれを感じるわけである。サブリミナル効果にあるように、人は無意識に受け取るメッセージの方がより強く感じる。小説に「私は失恋の悲しみに打ちひしがれた」と書いてあるのを読むより、失恋ソングを聴く方が圧倒的に失恋の感情を共感してもらえたと感じるのである。

ということは、共感を求めることを女性的であるとすれば、音楽を常に聞いているような人は女性的、そうでない人は男性的ということになる。このことは人間関係を送る上で参考になるかもしれない。

 

ミュージシャンが曲を作る時には、音楽理論を参考にすることもあるだろうが、 大部分は自分の感情・感性に従って作るはずだ。斉藤和義の「歌うたいのバラッド」の1番の歌詞ではまさにそのことを歌っている。

 

また、音楽は感情だけでなく、感覚も表現出来る、というより表現してしまうと思う。それを感じるのは、沖縄県出身のORANGE RANGEの曲は夏の暑い日に聞きたくなり、寒い冬には北海道出身のサカナクションを聴きたくなるという自分の経験だ。さらにアメリカの洋楽はカラッとしている感じがあるし、サンバを聞いていると踊りたくなってくる。こんな主観的で感覚的な話は証拠も何も提示できないが、だからこそブログに書いている(笑)

 

これらのことを逆に考えると、音楽で自分の感情を探ることが出来るという結論に至る。自分の感情というのは自分では思っている以上に分かっていない。 ケンカでよくある「怒ってるの?」「怒ってない!(怒)」というやつである。

自分の感情を探って何の意味があるのかと思うかもしれないが、これには効果がある。

 

感情という見えないものを、見えるようにすることが出来るという効果だ。

 

もちろん、はっきりと見えるようになる訳ではないが、全く見えないのと比べたら大分ましである。

これは風邪の時に体温を測ることに例えることが出来ると思う。高熱が出ていればインフルエンザかもしれないし、そうでなければおそらくただの風邪だ。

 

これを感情の話に戻すと、例えばケンカのとき自分が感じているのが悲しみか、寂しさか、そのどちらかを自覚ことで、次の話し合いでは相手に的確な要求をすることが出来るだろう。

自分の感情が分からなければ、それはつまり自分の要求が分からないということであり、「自分が何が欲しいかは分からないけど満足させろ」と無茶な要求をしているということである。そんな態勢では話はなかなか前に進まないし、ケンカが終わっても根本的には解決していないだろう。

 

音楽を聴くことは、自分の感情の理解の助けとなり、また音楽が共感者となることで感情的でなくなるという効果もあるので、まさに一石二鳥である。

音楽は仲裁人と違って完全に中立であり、その点も人と違って良いのだ。(笑)